満月の夜は、ご注意ください。




「あ、どうも……木戸先輩…」


……今日も変わらずチャラいなぁ…



「え、なんでそんなに嫌そうなの?!」


「いや……そんな事無いですよ?」


「そうかなぁ~…」



首を傾げて考え込んでる木戸先輩。


嫌、なわけじゃないけど…。うん…。



「あのっ!木戸先輩って菜美とどういう関係なんですか?!」



キラキラした目で興奮気味。


空腹でエサを貰おうとしてる犬みたい。



「ご近所サン……かな?」


「えっ、じゃ、じゃあっ、菜美の家の近くなんですよね?!」


やばい、実梨の目がさらに輝いてる。


「近くっていうか……上に住んでるよ?」



「そうなんですかっ?!菜美っ、初耳なんだけど!」


「あれ、言ってなかったっけ?!」



そういえば、言ってないかも…。


というか、ここで私がどこかに行けば2人きりにできるんじゃ……!


「あっ!教室に忘れ物したかも!先帰ってて!」


なんとなく、よくありそうな嘘。


「それなら、私も取り行くよっ!」


「いいよ、大丈夫だから!じゃあね!」



実梨を置いて、来た道を戻る。


そして、後ろからこっそり追跡してみる。


2人の並んだ後ろ姿。


なんか、お似合いだと思う!


木戸先輩はチャラいけど……。


でも、あんまり憎めない感じで……。


それに優しくて可愛い実梨……!


なかなか、いや、すごく良いと思うなぁ……




そのまま追跡して、あっという間にアパートの目の前。


あれ……さっきまで2人居たはずだけど……。




まぁ、いっか。


2人で少しぐらいは話せたかな……?



ふぅ、と軽いため息をつきながらドアを開けようとしたその時、






誰かに肩を叩かれた感じがした。



………誰…?



振り向いてみると、



「菜美ちゃんっ、追跡してたよねー?」



わお…。



そう言って得意気に笑ってるのは……



木戸先輩。