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『最下位は、ごめんなさい~、ふたご座のあなたっ!』
……あれ、朝?
テレビの占いお姉さんの声。
あー、今日最下位の人かわいそうに……。
って、ん?
えっと……カギ探してたはずなのに…。
あ、カギ見つけて家入れたんだっけ…。
最近記憶が薄れてる…。
今……何時だろ…。
『現在は7時です!』
7時かぁ……。
そろそろ起きないとなぁ。
重い体をひきずりながら、朝食を作り始める。
フレンチトーストの甘い匂い。
それに、冷たいココア。
ココアを片手にテレビに視線を向ける。
『今日は40℃近くの真夏日となりますのでー……』
「よ、40℃っ?!」
狭い部屋で大声で叫んでしまった。
40℃はオカシイでしょ…。
真夏だからって言っても……。
昨日と天気が全然違うじゃん…!
あー、やだなぁ…。
暑い教室で勉強したくないなー……。
ボーッとしているうちに食べ終わっていた。
よーし……準備しないとなー…。
暑いって聞いたから、髪の毛を横に結んでみる。
あー、これ、かなり涼しい…。
そして、カバンを持って階段を降りていく。
大狼君の家のインターホンを押そうとしてみる。
すると、たくさんの生徒達が歩いている。
………どうしよ、やめとこっかな。
人の目とか、気になるし…。
「あ、菜美っ!」
元気にキラキラとしたような笑顔でそこに居たのは……
大狼君だった。
わお…。