男の子は、



『俺がいるから、大丈夫だよ!』


『なーちゃん?大丈夫?俺は味方だから!』


そう言って隣で笑っていてくれた。



その笑顔が、その声が、



私の中で “好き” を大きく膨らませた。



あの子のおかげで、頑張れた。



あの子のおかげで、笑顔でいれた。



あの子のおかげで………。







ある朝、教室が騒がしかった。



知りたいけど、教えてくれる人もいない。



私は、ただあの子が来るのを待ってた。



でも、いつまで待ってもあの子は来ない。



チャイムが鳴ってもあの子は来ない。



不安が大きくなってく。



怖い、怖いよ‥……。



遅れて、息を切らして、来てくれるのを待ってた。



ゆっくりと先生は、教室に入ってきた。



『………は‥……引っ越した。

最後に、このクラスでいじめがあると言っていた。誰だ……?』



教室がどよめく。


『………さんが…っ!』


『オレらもそうしないと……!』


そんな声が飛び交う。



そして一週間したあとだった。



友達……、いや、女の子は‥…


他の学校へ通うことになった。



クラスにはいじめが無くなった。



私には友達ができた。



でも、



あの子がいなくなってしまった悲しみ。



あの子が好きだったという思い。



あの子が話してくれたという喜び。



全てがあの子に会いたいという思いになった。



それから、私は会いたくて会いたくて………



でも会えなくて。



それが切なくて、辛くて、



苦しくて。



あれが、きっと初恋で。




私はあの子を忘れられるように



色んな事を思い出して泣いた。



たくさん、たくさん、泣いた分




新しい自分になれるように。



こんな思いをしないように、




男の子と関わらないようにしよう………。




恋をしてしまえば、思い出してしまう。








それから私は、


“男嫌い”


そう言って、恋を避けてる。