私は急いでその場を離れる。
教室で………何やってんの……?!
なんで、朝から?!
しかも、私のクラスで?!
女の子、三つ編みをしてる子だった。
クラスの、女の子だった……。
木戸さん、彼女いたんだ?
実梨が見てなくて良かったけど………。
くるり、と後ろを振り向くと
三つ編みの子が泣きながら出て行くのが見えた。
疑問に思いながら、私の足が向かおうとした先には……
木戸さんが立っていた。
なんだか分からないけど、何か、すごくすごくイラッときた。
実梨に楽しそうに話しかけといて………。
なんとも言えないイラつき。
「あっれ、見られちゃった?」
はぁ?イラつく…。
「声ぐらいかけてくれても良かったよ?」
はぁ?誰がかけるか。
キスしてるとこに?バカ?
「ていうか、あの子さぁ………
別にそこまで可愛くないよね!」
はぁ?
「しかも、本気で“好き”とか!
何がしたいのか分かんない!」
………なんなの?
彼女の事可愛くないとか、
何がしたいのか分かんないとか、
「アンタ、何様なわけ?」
つい、口から出てしまった言葉。
「俺様だけど?」
ニヤリと笑みを浮かべてる。
アンタこそ何がしたいわけ?
「よく“好き”とかバカにできるね?
彼女の事も可愛くないとかさぁ!」
ヤバい、この口、止まんないっ……!
いっつも感情が高ぶっちゃうと………。
「彼女じゃないよ?」
は?
「アンタさぁ、女の子何だと思ってんの?
彼女じゃないくせにキスしてんの?」
やばい、本当にやばいって!
止まって……!
「女の子?んー、遊び道具かな?」
「………ほんっと最低…!」
人がいない廊下に乾いた音が鳴り響く。
なんだか、私の手がヒリヒリしてる。
木戸さんの言葉にイラッときたのは覚えてるけど………。
目の前の木戸さんの頬は……
痛々しい赤みを帯びていた。

