「えっと、会ったことある?」
少しだけ驚いてるような木戸さん。
なんだか、私に視線を送ってくる。
気づかないフリをする私。
「ありますっ!」
まるっきり他の男の子との態度が違う。
サッカー部のキャプテンにだって、こんな態度をとってない。
もしかして?
「そっかそっか、名前は………?」
助けを求めるようにじっと見つめてくる。
それだって見てみぬフリ。
「み、実梨ですっ!」
ふわふわの髪の毛が風で揺れてる。
高そうなシャンプーの香りがする。
ほとんどの男の子は、これでイチコロだ。
「そうじゃなくて、名字は?」
そんなの物ともしないで会話を続ける。
なかなかの強敵?
「花井ですっ!」
ニッコリと優しい笑顔で答える。
女子から見てもキュンとする。
「花井さんね、よろしく!」
「は、はいっ!」
実梨の瞳には木戸さんしか映ってない。
多分、私がいることを忘れてる。
「じゃあね、菜美ちゃん!花井さんっ」
ニコニコとしながら手を振って走っていった。
高校の場所分かるくせに………。
なんで一緒に行く必要があんのかな。
意味わかんない。

