好きになった事が、思い出みたいになってる。
走馬灯みたいに見える。
木戸先輩には、好きな人は……いる。
瞳を見つめても、全く目が合わない。
その先にも、菜美がいるの?
「菜美の事、好きなんですね!」
………泣きそう。
目の前、ぼやけてる。
早く、気持ちを伝えて楽になりたいよ。
「………分かるんだ…」
寂しそうに笑ってる。
目は、やっぱり合うこともない。
「私………先輩の事しか見てないから………わかるんです……」
「………しか…?」
今、言える。
今なら、言える。
泣くな……私………っ
「………………好きなんです……っ」
心の中から気持ちが溢れ出して
短い恋だったな、なんて思ってる。
「…………あのさ…」
「ダメなのは分かってるんです……」
「………うん、ごめんね」
………でも!!
「でも、菜美と付き合って下さい!!」
「え………?」
不思議そうに目を丸くしてる。
………意外と可愛いトコもある。
「今のままじゃ………大狼君にとられちゃいますよ?」
分かってるとは思う。
別に、大狼君が嫌いとかじゃなくて。
先輩には幸せになってほしいなぁ、なんて。
そんなに私は、優しくないけどね。
「先輩、頑張って下さいね……」
「ありがとう……。」
「じゃ、菜美のこと奪いに行って下さいね!」
そう言って、その場を逃げるように去った。
涙は止まらないけど
言えてよかった………。
先輩、頑張って下さい……っ

