一週間した頃、
クラス中で、木戸先輩の話で盛り上がっていた。
毎日のように、みんなは昼休みに木戸先輩を見に行っているらしく、
私も一回だけ、ついて行った。
『私は木戸先輩の筋肉が好きー!』
『うちは、チャラいトコが好きだなぁ!』
『あたしは……ファンサービスが多い所!』
口々に言っていた。
筋肉?
全く興味ないなぁ。
チャラい?
むしろマイナスかなぁ。
ファンサービス?
それは必要なのかなぁ。
そして、ついに昼休み。
体育館でバスケしてるらしい。
1年、2年、3年
全学年にファンクラブがあるらしい。
まぁ、どうでもいいかぁ。
なんて思う気持ちとは逆に、足はずんずん進んでく。
体育館の近くまで来ると、歓声が聞こえてくる。
ビックリしながらも、中を覗いてみた。
すると、そこには
あの時、教科書を拾ってくれた人がいた。
楽しそうにバスケをしていて、
チャラい、のかもしれないけど………。
私には
その人の全部がカッコよく見えた。