『次は~……終点~、貝河原ぁ~…』
アナウンスが聞こえて、はっとする。
今、貝河原って言ったよね?
“かいがはら”って言ったよね?!
じゃあ、多分……実梨はココに……?!
「……着いたな!降りるぞ!」
大狼君の大きな手が、私の手首を掴んで走り出す。
えっ?!
「お、大狼君………っ?!」
「探すんだろ、急ぐぞ!」
繋がれた手、とは言えないけど
これは掴まれた手、だけど
いつかは繋がれた手、にできたら………。
………なんてね。
「じゃあ、菜美は電話しといて!俺はここらへん探してくるから!」
手首を離して走っていく後ろ姿に見とれてた。
大狼君とすれ違う通行人が、みんな振り向いてる。
………かっこいいなぁ…。
って、電話しないと!
カバンから携帯を取り出して、実梨に電話をかける。
………大丈夫かな……。
『もしもし?!菜美っ?!』
「着いたよ!で、どこにいるの?!」
『貝河原のクレープ屋さんがあるとこ!』
「え?なんていうクレープ屋さん?!」
『ツキシマってトコ!!』
「うん、探してみる!」
『ごめんね、ありがとう…』
ブツッと電話が切れた。
クレープ屋さん………ツキシマ………。
探しに行かなきゃ!
と、思っても道が分からない。
迷子になりそうだし………。
あ、周りの人に聞けばいいのか!
優しそうな大人の人が歩いている。
この人になら聞けるかな……
ま、とりあえず聞くだけ聞いてみよー…
「…あの、クレープ屋さんのツキシマって……どこにあるか知ってますか?」
「あ、はい、知ってますよ。」
優しい笑顔で答えてくれた。
「それって遠いですか??」
「遠いですから、一緒に行きましょう!」
「えっ、でもっ、そんな……悪いんで……」
「いいですって、さ、行きましょうか!」
大人なのに、仕事とかないのかな………。
まぁ、事情があるとして。
その人は私の手を引いて、人混みへと入っていった。

