急いでホームまで走って、電車に乗り込む。


P○SUMOを握りしめてる。




………実梨が変な人に捕まってないといいけど………。




こんなときに、先輩が実梨を探しててくれたらいいのになぁ。



なんて考えているうちに、



“海魚駅”に着いた。



終点と言うのに、人はいない。


駅員さんも、おじいちゃんだし……。



ま、とりあえず、女の子が通ったか聞いてみよ……!



白髪で優しそうなおじいちゃんの駅員さんに近づいた。


 

「あのー……すいません、高校生ぐらいの女の子が通りませんでしたか?」



「………ここは一週間誰も来てないよぉ…」



「……え。あ、ありがとうございます…」




人もいないのに、なんで終点かは分からなかったけど、まぁいい。



実梨はいないから……。



もうひとつの駅か………。




誰も乗っていないような電車に乗り込んで、ひとり席に座る。



流れてく景色だけを、ずっと見てる。




………誰か……一緒にいたらなぁ。




ふぅ、とため息をついていた。





「はぁ、はぁっ………菜美っ!」





聞き慣れた、あの声。


息を切らした、あの声。




会いたすぎて聞こえてるのかな。



好きすぎて、かなぁ……。




「おい!無視すんなよっ!」




その声と共に、肩を掴まれた。




そして、目の前には。





大狼君が居た。