「ちょっ、えぇっ!先輩っ!」




行き先は、体育館?



あ、カバン置きっぱなしだった!




「はいっ、早く出ないと先生に怒られるね~」




重いはずの私のカバンをひょいと持ち上げて渡される。



お礼を言って受け取って、校門を出た。






先輩って色々協力してれるな~…。



あ、もし先輩に好きな子がいたら、同じようにできるかな~……!



聞いてみよ~!




「あのっ、先輩って好きな子とかいないんですか……?!」



「………え、それ聞く…?!」




突然だったから、目を見開いて驚いてる。


驚いてるって事は?!




「その反応って事は……いるんですね?!」



「ちょっ、菜美ちゃ……」



「誰ですか?!年上ですか?!」



もっと特徴を聞こうとしたら、



先輩の大きな手が私の口を覆う。




………?!




「………えっ、あの……先輩………っ……?!」





「…………しっ……。」




そう小さく呟いた後、周りを見回して



ゆっくりとその手を離した。





私もゆっくりと周りを見てみると、女の子達が群がっていた。



………違う制服だったから良かったけど……。



それより…。



………っはぁ……。



息出来なくて死ぬかと……っ




「聞いてどうすんの?」



「えっ、あっ、そりゃ、先輩の応援ですよ!」




いきなり普通に話しかけられたもんだから、結構どもった。



切り換え早くない……?




「応援………?」
 



「だって、色々と先輩は私にしてくれるじゃないですかっ」




「………んー、そうかな…。」




「だから、そのお返しです!」




………実梨が先輩と付き合ってほしいなぁ。


すごくお似合いだし…!




「……菜美ちゃんらしいね…。」




「ふふっ、そうですか?」




そう言った瞬間に、先輩は固まっていた。



………笑った顔、ヤバいのかな?!




「………っあ!またね!バイバイ!」




なんだか、電池が入ったロボットのように、ギクシャクしながら階段を登っていた。



………変なの…。





…………面白いけど…!