「……李恋先輩」
じゃれあってる二人を眺めていると急に声をかけられた。
「ん、何?智花ちゃん」
智花ちゃんは音羽ちゃんと同じくらい可愛い…というか美人さんだ。
ショートカットの真っ黒の髪。
前髪は中心より右で分けて流している。
きっと、すごくモテるんだろうな…。
「先輩って春都と付き合ってるんですよね?」
…春都。
なんだろう、胸がモヤモヤする。
「うん…付き合ってるよ…」
『一応』って言いそうになっちゃった。
「ふーん…あの、先輩?
あたし春都が好きなので。
また、春都と付き合えるように頑張りますね?
…ありえないから、年上と付き合うとか。
あたし、諦めませんからね?」
「え…」

