あの日、君に声を掛けたのは
『あの人』に似ていたから。


でも、君は頬を真っ赤にして振り向いた。


『あの人』じゃないと分かった時の
俺はどんな顔をしてた?


君は俺が触れた左手を胸に当てて、
下を向いていた。


ごめん、俺は君を傷つけた。

心の痛みはそう簡単に
癒えるものじゃない。


俺にも分かるはずなのに……。