実夢【‥‥‥‥そう言えば‥‥この華はどんな華なんだろう】


  私は書庫らしき場所に向かい中に入った。

  そして、華の図鑑を見つけると私は華と照合しながらその華を

  探した。


  実夢【あった‥‥‥‥。】


  書いてあったのは‥‥。


  実夢【彼岸花‥‥‥。花言葉は哀しみ。根元に毒がある。】


  どうして妖怪みたいな生物は私を見る度に彼岸花を置いてい

  ったのだろう。


  実夢【‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥】


  女の子【嫁。可哀相。忘れた。全部。】


  実夢【えっ‥‥‥】


  私が振り返ると女の子は彼岸花を置いて消えてしまった。


  実夢【嫁?忘れた?全部?】


  私は何も分からずその場で呆然としていた。

  それから私は自分の部屋だという場所へと向かった。


  実夢【此処が私の部屋‥‥‥。】


  私は唖然としていた。

  広すぎる。

  記憶を失う前の私はいったいどんな生活をしていたのだろう。

  今の私には落ち着かない空間だ。

  私は一番端に置かれているベットに腰かけあたりを見渡した。

  ベットが置かれている部分は洋室。

  机や本棚が置かれている場所は和室と言った奇妙奇天烈な部

  屋の作りだった。

  

  実夢【私、生活していけるかな‥‥‥。】


  私はそう呟いていた。

  記憶が無くなった恐怖が今になって一気に押し寄せて来た。

  私は自分の肩を抱き震えていた。

  私は布団の中に潜り目を瞑った。

  怖くて何も考えられなくなる。

  そして、私は眠りに堕ちた。


  ??【嫁様‥‥‥記憶を全て失くしたそうだ。】


  ??【可哀相に‥‥‥。】


  ??【嫁様は大丈夫だろうか‥‥‥。】


  ??【我々の事は見えているようだ。座敷童がそう言っていた

      らしい。】


  ??【あんな事が無ければ。】


  誰かが私の頭上で話している。

  何所かで聞いた事がある様な気がするのだ。

  何所か懐かしくい。

  私は目を開こうとしたが再び睡魔が押し寄せて眠ってしまった

  のだった―――――。