「もしかして、白銀さんではありませんこと?」

自分の相方がそんなことを言うと澪は驚いたように目を開いた。

「水、知り合いなのかい?」

「ええ、昔の知り合いですわ。でも、あの時は」

水晶の言葉を最後まで聞かずに白銀は不思議そうに言葉を発した。

「何でお前が居るんだよ、水晶。お前はあの女と一緒じゃ「少し黙っていて下さいます?」

白銀の言葉にいつも温厚な水晶から殺気が立つ。

張り詰めた空気を解いたのか当事者である水晶だった。

「まあ、いいですわ。あなた、白銀さんでよろしいの?」

「ああ、そうだ。シルバーの白銀で間違いねえ」

「なあなあ、石霊って石に住んでるもんじゃねえの?」

煉都が澪に尋ねると白銀がそれに反応した。

「それはオレも知りてえくらいだけど。この女にしかわかんねーよ」

この女、と言いながら自分の胸を指し示す白銀。

そして彼は自虐的に笑う。

「ま、瑚城ちゃんの記憶もトんじゃったみたいだけどな」