「え?なにそれ?みかんの亡霊?」
え、知らないの!?
あ、当たり前か。あたしが考えたんだし。
「あたしが亡霊で千夜はみかんね」
「普通逆じゃね?名前も蜜柑じゃん。偽名だけどさ」
確かに、名前も蜜柑だけど、それとこれとは別なの。
「いいのいいの。つーわけでみかんさん」
「はい?」
「みかん買ってきて」
「えええええええ!!!」
千夜の驚く声が響きわたる。
そんなに驚くことないじゃん。
「わ、わかったよ……」
なんて、千夜はこの場を後にした。
ちっ、逃げられた。あいつ買ってくる気ないな。
あたしの読み通り千夜は戻ってくることはなかった。
あ、みかんはママが買ってきてくれたから食べれたよ。


