コンクリートの地面がポツポツと
黒くなる。乃愛?泣いてるのか?
泣かないでよ。俺はお前の笑顔が
好きなんだ。大好きなんだ。

「ずっと言いたかった。だから
あの夜 友達に屋上にアオトがいるって
聞いて、好きだって言いたくて
屋上に行ったの。告白しようとして。
でも、実際行ったらなかなか言えなくて
それで もう帰ろうと思って
歩いていたら つまづいちゃって。
そのまま屋上から…」

「ごめんな。」

だめだ。俺まで泣いてしまう。
でも、ちゃんとつたえなきゃ。

「ずっと気づいてやれなくて、
本当にごめん。」

静かに泣く乃愛を抱きしめた。
もう絶対に離すもんか。そうおもった。

「ありがとう」

そのとき ようやく気がついた。
乃愛が消えかけていることに。

乃愛!いかないでくれ!
まだまだ話したりねーよ。俺には
お前しかいないんだ。
頼むから いかないでくれ…

「乃愛っ」