─────────大会当日。



「良かったね、花恋!」


私は集合場所に早く来て、選手たちよりも先に必要な物を準備していた。


その合間をみて昨日のことを綾子に伝えた。



「花恋って本当は黒沢くんのこと好きなんでしょ?」


「…っえ?」



「だって、最近、登下校一緒だし。今だって嬉しそうに話すし…」


「………好き、だよ…」



私は、小声で言った。


綾子にだから言えること。私の想いは決して嘘ではない。



本気で本気で好きなんだって。




「やっと、自分の気持ちに気づいたかぁ〜!おめでとう、花恋。」