「あ、ここ曲がったらすぐ家だから。
送ってくれてありがとう。」
気づいたら家のすぐ近くまで来ていた。
結局何も喋らなかったけど、
無言な時間さえ心地よく感じた。
「お前、今誰と住んでんの?」
「一人暮らしだけど?」
「そっか…気をつけろよ?女の一人暮らしとか何かと物騒だろ?」
「翔が優しくてキモチワルイ」
「あ?てめぇ覚えてろ?」
翔は睨みをきかせたあと、じゃあな、性格悪女、とだけ残して帰っていった。
こんな意地悪な言葉言われたのに、
その時のまたまた意地悪な笑顔を思い出して、
顔が熱くなったのは暑さの残る9月の夜のせい