王子と姫の裏事情。

「辛い恋をすると人って臆病になるけどさ、」


あたしの沈黙を悟ってかポツリと話始めた足立くん。


「次の恋はまた違う人にするわけでしょ?

だったらさ、過去なんて引きずる必要ないんじゃないかって思うんだよね。」


「どういうこと?」


「前の人には恋をして傷ついたかもしれないけど、全く別の人に恋するんだから、それは全く違う恋。

同じように傷つくとは限らないでしょ?」


確かに…、でもあたしはさっき実際違う人に恋をして傷ついた。



「でもね、恋に向き合わずに傷つくとか傷つかないとか言ったらダメなんだよ。」


あたしの心を読んだように足立くんは続けた。


「向き合って初めてそれを恋って言うんだ。

俺はちゃんと彼女と向き合って、綺麗さっぱりフラレた!

未練はたらたらの癖に、また新しい恋したいって思ってるよ。」




ああ、そうか、あの時も、今日もあたしは逃げたんだ。


まだ何も伝えてない、何も真実を知らない。