二年前

よく、”扉を開けたら新しい世界が待っている"なんて言うけど


ガチャッ
「ただいまーっ…男物の靴?お客さん来てるのかな?」


今思えばあたしにとっての"それ"はこのドアだったのかもしれない


「寝室から声がする、行ってみよ」


でも待っていたのは素敵な世界なんかじゃなくて、暗闇だった

幸せだった生活が音を立てて崩れていく…─────


「誰か来てるの?おかあさ…」
「…っ!!か、加奈!」