「ドンマイ。お前のせいじゃない」


「そうさ。倶楽部の顧問には遅刻の理由を話して先輩にも わかってもらうごとすっけん」


「心配せんでよかよ」


「それよりお前、どうするん?」


「電車帰宅できんようになったな」



「4級取得してない者は進級を認めんって、ウソか本当か わからんけど……どうせ6時過ぎまで帰れんし、珠算部に通って4級を頂こうかなー」


「へっ、マジで!?」


「うん」



かくして、珠算部へ入部を決めた。

その日から、全国大会連続出場の実績を持つ珠算部で大嫌いな算盤との格闘の日々が始まった。