「失礼します」




ガラガラガラ




「あら黒谷くんじゃないの
どうしたの?体の調子でも悪いの?」




そこには保健の先生とベッドで寝ている棚野さん二人しかいなかった。





「あ、いや、まぁちょっと…
棚野さんのことが心配になっただけなので。
軽症ならいいんです。失礼しました」




ガラガラガラ



そう言って出ようとしたとき──







「棚野さん頭強くうっていて…
目あけてくれないの…」





は?



なんだよそれ



「うそ…だろ…」













「…ぷっ…あっはっはっはっ」




先生はお腹をかかえて笑った



「な、なんですか」




「軽症よ軽症。まさか信じちゃうだなんて…心配なのね…プッ」



イラッ









「…軽症ならなにも心配ないですねもう授業に戻ります」




「待ちなさい。棚野さんの様子を見ててちょうだい」




「は?なんでぼくが」


「そこにいたからです」





「ほかの人にでも「ずべこべ言ってないでおとなしく様子を見てなさい!」





……



なんでこんな目に合わなきゃいけないんだよ…はぁ…。