ビターチョコレート

「田島と知り合いか?」

「いえ、別に」

嘘と思いたい。自分の妹に一目惚れするなんて。呆れて笑みを零す。

彼女に近づく度に高鳴る鼓動はうるさいくらい。

チョコレートに似た甘い香りに、ふわふわした髪。華奢な肩の先には小さな顔。

触れたら折れてしまいそうな程細い体つきは守ってやりたくなる雰囲気を醸し出していた。

話しかけると予想通りのソプラノの透き通る高い声。

その声は俺の耳も心もくすぐった。