先生の手が触れる時


「その顔やめろ、腹立つ」
「こういう顔だ、諦めろ」
「………返しがうまくなったな…」
「まぁな」

苦笑いをしてる信を呆れながら見つめ
俺は背もたれに背中をあずけ天井を見上げた

「はー……」

深いため息をつき目を閉じると今日の遠野の怯えた顔を思い出す

「何にも興味を持たなかったお前が…そうやって誰かのために動こうとしてるんだ…すげぇことだよ」

信は本当に嬉しそうに微笑む

「そうかな」
「あぁ」

小さい頃から色んなものに無頓着ではあった
特に人には。
人など信用できないものだと思っていた

でも、もしそんな俺が少し変われたのならそれは信のおかげな気がするな
認めたくはないが…