そしてゆっくり頭を下げた

「ごめんなさい……晴夏の気持ちに応えることは…できない……」
「…………」
「…ごめんなさい…」

私がもう一度謝ると、晴夏は大きくため息をついた

「……他に好きなやつがいるの?」
「………うん」
「緑川先生?」

その質問にぎゅっと目を閉じる

そして頭を縦に動かした

「…………そっか」

少しの時間のあと、晴夏はそれだけ呟いた

「…これから、どうするの?」
「……先生に気持ちを伝えるつもりは…ないよ…」
「どうして?」

晴夏が心底驚いたように問いかけてくる
私は下げていた頭をあげて晴夏を見つめた

「…父親がね……私と先生の関係に気づいて、先生を訴えようとしたの……生徒に手を出してるって」
「!」

私は乾いた笑みをこぼす