先生の手が触れる時


「…じゃあ、また後で」

すぐに凜の家と晴夏の家の別れ道まで来て晴夏が片手をあげる
それを見送ろうと立ち止まったとき

「凪」

聞き覚えのある声が後ろから飛んできた

背筋が冷えていくのがわかる
石になったように体は固まり振り返るのにも時間がかかった

そんな私の異変に気づいた凜と晴夏もじっとその声の方に目を向けている

「………お父さん…」

自分の渇いた声が耳に届く

その言葉を聞いた凜が目を見開いて、すぐに私の手を握ってくる


「………なんでいるの?」


そう問いかけた声は、自分とは思えないほど冷たい声だった