先生の手が触れる時



人を好きになっても
誰かと付き合っても

『なに考えてるか分からない』

『ほんとに私のこと好き?』

『人形みたい』

そう言われてきた


人を好きになることも、もうないと思ってた

でも

なにか大きいものを背負って
小さな体でそれに抗っている凪を守ってやりたいと

あの泣きそうな顔を見たとき

そう思ったんだ

ライブ中、緑川先生が凪を見て、一瞬苦しそうな顔をしたのを見たのは

きっと俺だけだろう

ズルいかもしれないが…

凪には言わないでおく。

いつかアイツが必死こいて凪の手をつかもうとするまでは

俺は手をひくつもりはない。



牽制も込めて、凪から視線をはずした緑川先生と目があった時小さな笑みをこぼした