天窓の外、透けるような紫空に吸い寄せられ、涼香は一人たたずんでいた。 夜風を心地よく感じるにはまだ時期が早い。 冷たい空気に肩が反応して、わずかに背筋を震わせた。 空に浮かぶ一番星に何かを叶える力などないだろう。 それでも人は、弱さのために手の届かないものへ願いをかけてしまう。 涼香は涙と共に、直哉は溜め息と共に、この日の夜空へ想いを飛ばした。 とても静かな夜の出来事。 二人の間には星を遮る雲のように、輝きを狂わせる壁が幾重にも存在するのだった。