「……先生、水瓶座は『水』ではなくて『風』の星だよ。嵐を呼ぶように、その星の河を使ってどこかの二人を引き離してしまう時があるかもしれないの。それでも……女神になれるのかな」



淋し気に問いかける涼香を見て、直哉は胸が苦しくなった。

この娘の想いも、もう止められないのだろう。



「早瀬……」


「私はね、その星の河を越えて想いを伝え合う二人の愛が、時々落ちて流れてくるのを拾う陰の少女でいいんだよ。……女神になんて、なれなくていい」



逆光のせいで、涼香の表情は見えにくくなっていた。

どんな気持ちでそんなことを言わせてしまったのか。



直哉は、どうしようもない身体の衝撃に戸惑った。

両腕に力が入る。

もしも涼香を、抱き締められたなら……