飛行場に降り立つと、体のすべてにどこか安心できる空気を感じた。
こういう時は、やはり自分は日本人なんだということを身に染まされる。
そして搭乗案内が耳をかすめる中で、直哉はただ真っすぐに歩いていた。
その先にある出来事が、本当に『運命の再会』なのかを疑いそうになりながら、それでも何かを信じて前を見据える。
ーーー112便、カナダ行きのゲートは……
そしてそこには、もうひとつの未来へ希望を膨らませて歩く美咲がいた。
迷いもなく顔を上げて先を見つめる。
自分も夢に向かって進んで行ける幸せ。
しかしひとつのゲートを挟んだその場所で、二人がすれ違う互いの存在に気づくことはなかった。

