「同じ過去を引きずった者同士なんだだなって
勝手に思って、安心してた」
『………』
「だけど、莉麻ちゃんが沖と仲良くしてるとこみて、なんであんなに傷ついたのに変われるんだろうって。なんで簡単に立ち上がるんだって。…こんな嫉妬って初めてだから、とにかく見ていたくなくて、閉じこもった」
『…侑麻……』
「でもね、そのおかげ3つ気付けたことがある。一つは今まで僕は間違っていたこと。そして、こんな僕でも支えてくれる仲間がいたこと。そしてもう一つは…」
そう言って僕はスマホから耳を話し、閉じていた窓を勢いよく開いた。
─バンッ!!
「変化を待っているだけじゃ変われない!!自分から作り出して、そして自分自身の力で歩き続けて行くことこそが“変わる”ということだってこと!!!!」
「ははっ!近所迷惑だっての!!!!」
下から都環の声が聞こえる。
みんなの笑顔が見える。
莉麻ちゃんは笑ってはいなかったけれど、でも、すごく穏やかな表情だった。
「みんな……ありがとう」