「…でも」 先程より不安の色を濃くした声で沖は続ける。 「侑麻は一体…何に悩んでいるのかな」 核心を突いた沖の言葉に、一斉に口をつぐむ。 暫くの静寂の後で、都環が静かに口を開く。 「…あいつが…過去のことを気にしてるのは分かってた。でも、今になって深刻に悩みだした事が分かんねぇ」 …確かに。時々侑麻の表情が陰ることがあったのはみんな知っていたし、お互い知っているからこそ何も言わなかった。