─パチンッ…パチンッ…
─トントン…パチンッ…
静かな空間に、ホチキスの綴じる音と、紙を整える音がやけに響き、ここが2人きりの空間であることを際立たせている。
「……(チラッ)」
盗み見るように目の前の彼女に視線を移す。
「………………」
黙々と作業している姿は、やはり、綺麗だった。
透明感のある肌に、少し開いた窓から零れる風になびくサラサラな髪。欠点なんてあるのかなって思うぐらい、綺麗だ。
…でも、きっと俺の見ている君は、君ではないのだろう。
作られた人格ではなく、消された人格。
彼女の過去によって消された、本当の君。