微かな彼女




蓮杖 磨矢は、初めて会った時から今も変わらず蓮杖 磨矢だ。彼女は周りの変化に置いて行かれても尚、自分から変わろうとはしない。それが彼女の長所でもあり、短所でもあった。


自覚の無い悪人。蓮杖 磨矢とは、そういう女だ。
口も態度も悪ければ、自己中心的な思考に加え悪意を悪意として認識しない傍若無人な女。


見た目は愛らしくボンヤリしているが、中身を知れば男女問わず多くの人間が彼女を嫌悪し遠ざける。けれども何故か、蓮杖 磨矢は独りにはならなかった。


蓮杖 磨矢は変わることを嫌った。
周囲の環境に関しても、変わる事を