『しょうがないじゃん!あたしよりチビなんだから!』まさしくこれは逆ギレ。

『なんだお前、生意気だな!』

『うっさい!チビはチビらしく牛乳飲んでろー!』

『さっきまでメソメソ泣いてた癖に、可愛くねーな。』


『可愛くなくて結構!』気づけば、無限に続きそうなくだらない口論が始まってた。


あたしは君に背を向けて、足早に歩き出す。

こんなトコで油を売ってる暇人め、いつか覚えてろよ。


『ちょっと待てよ。』反射的に肩が上がる。君の一言に期待しちゃう。


『どちら様?何か用で?』そう言いながらソッコーに振り返るあたし、可愛くない。



『ほらよっ』目線が合うと同時に、何かを投げて来た。


『へ?何?!危ないじゃない。』それはチョコレート。


『おぉナイスキャッチ!』キラキラ眩しい笑顔に見惚れた。

『今日はバレンタインだし。』バレンタインかぁ…


「ぷっ」
拍子抜け。色々可笑しくて堪えられなくて笑ってしまう。



『君オカマ?友チョコか!チョコは女子が男子あげるもんだし。』

今チョコレートを持ってるなんて。誰かから貰ったわけじゃなさそうだケド…。


『んなこと知ってる。いいからさっさと受け取れ!』