『気になる〜?智代子羨ましがっちゃうわよ。』
と、スカートの裾をつまんでひらひらさせる。
答えたそうな雰囲気を醸し出しているにもかかわらず勿体ぶった。
『確かに知りたいね。美咲には似合わないもんだから。』皮肉めいた笑みを浮かべる。
美咲は納得のいかない表情を浮かべると、すぐに幸せそうな表情に変わり語り出した。
『吹奏楽部にはイケメンの先輩が沢山いるんだって。』
中学生になっても美咲はイケメン探そうとするその根性を褒め称えたい。
『はは、頑張って。』悪く言えば後が面倒だから。
『あたしのことバカにしてる?このわからずや。』勘付いたのか、ムッとした顔でこちらを見る。
『なんだよいきなり!人がせっかく応援しようとしてんのに。』
久しぶりに(?)始まった喧嘩。
『余計なお世話よ。』
『あー、それなら言ってあげる。』あたしも少し意地悪だった。
だけど…..
『美咲になんて向いてないから!』当時のあたしはまだ子供だったから。
