あれはあたしたちがまだ一年生だった時。
あの頃は、美咲とは些細なことで喧嘩ばっかしてた。
そのおかげで、優香とも出会えた。三人は、本音で話せる仲間になったんだっけ。
ーーー━━
貼り出されたクラス表を目を凝らして確認した。
『うげぇ、また美咲と一緒のクラスかよ。』あたしはわざと嫌そうな顔をして見せた。
『今年はきっと厄日だわ。』と真顔で受け答える美咲。
『どーゆー意味だよそれ!?』あたしは頬を膨らませて美咲を見る。
そんなあたしをあしらうように「はいはい」と適当に返事を返す。
『それよりさぁ〜部活はどうするの?』人の話をまるで聞いてない。
『…どうしよっかなぁ〜』膨らませた頬を元に戻して、しょうがないけど考えてみる。
『私は吹奏楽なのよ。』美咲が聞いてもないのに教えてくれた。
『うわっ似合わね!』本音が溢す。
『うるっさいわね〜私は智代子と違って繊細なの!』
そんな自信はどこから出てくるのだろうか。楽器なんてろくさわったことない癖に。
けど、内心凄く驚いてる。飽きっぽくて、何をやっても長続きしないような美咲が珍しく、
興味を示してるなんて。
『なんで吹奏楽部なの?』何かを聞いて欲しそうな顔をしてたから、一応理由を聞くことにした。
