『もうすぐ一時間目始まるわよ?』
しばらくその場に立ちすくんでたあたしは、その一言で我に返った。
『次体育だ。』移動教室。あたしは慌てて準備する。
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『持久走なんて嫌よー』美咲は突然叫び出した。
いつものクールな表情とは一変して、険しい表情をしてる。
それがなんだか面白い。
対象に、あたしは余裕な笑みを浮かべる。持久走は割と得意分野。
『やだやだ疲れるわ〜。髪も乱れるから!』と、叫びブツブツと文句を唱える。
『そう言いながら、美咲全然元気そうじゃん。』白い息を吐きながら言った。
今まさに、走ってると言うのに、こんなにも喋ってられるなんて、逆に凄い。
思わず苦笑いする。
『どーこーがーよー?』ぜいぜいと息を吐きながらもほんと、よく喋る。
本当に無理だったのか、あたしとの距離は徐々に離れて行った…
優香はというと、今日は風邪で見学をしている。
けれど優香は、美咲なんかより何倍も体力があるのだ。
部活動だってあたしと同じ、テニス部。
あたしたちは、部活もクラスも一緒だったから、仲良くなるのにそう時間はかからなかった。
