おまけ;その頃。
【智代子と二人が別れたあとのおはなし。】
『ねー、優香。』私は最近思ってたことを優香に言ってみることにした。
『何?みーちゃん。』
『智代子ってさぁー勿体無いよね?』優香も改まった様子でこちらを見つめる。
他愛もない会話のすぐ後にこんな話をするのは少し変だから、一拍間を開けた。
『えー、どうして?』不思議そうな表情を浮かべながら、相槌を打つ。
『…優香も薄々気づいてるでしょ?』智代子は自分が可愛い事を知らないって事。
男子に全然興味持たないし、特別な存在を作らず、絶妙な距離感を保ってるから。
『んー、察するかも。』優香は曖昧に返事した。だから私はこの話をあえてここまでにした。
『智代子には幸せになってもらいたいんだよ。』心の内をポツリと漏らした。
それを聞くと優香は、『みーちゃんはちーちゃんが大好きだね!』と言ってにっこり笑う。
「な///」私は少し足を止めた。優香には色々お見通し…か。
優香は、お人好しで天然でマイペースなのに周りをよく見てる。その洞察力に関心。
一枚上手な対応を計るのは、可愛い顔の裏に隠れた意外な一面。
『うん、ちーちゃんには高校生になる前に新しい恋しほしい。』と付け足した。
空が暗くなり、雲がかかり始めた。今すぐにでも雨が降りそうな天気だったから、
優香の提案で、今日は、立ち話するのはやめて、早めに家に帰ることにした。
