休み時間、仲良し三人組ですっかり恒例の、恋バナ大会をしている。
あたしが話す事は決まって一緒。たった一人の好きな人。
三人でじゃれ合ってると、廊下から美咲を見つめる数人の男子がふと目に入った。
「美人だよな〜」や「付き合いたい」だのそんな会話が微かに聞こえた。
あたしの目線を追ってか未だにほっぺをもきゅもきゅしてる美咲も視線に気づく。
するとその方向へと歩み寄ると、男子たちに向かっておもむろに口を開いた。
あーあ、始まっちゃったよ。
毎度の事と分かっているけど、優香はそっとあたしの袖を摘まむ。
『あんたら私を見てることしか出来ないの?情けない。さっさと告りなさいよ!』
男子達はここで引くか引かないかの究極の選択肢を迫られるのだ。
『…好きです!』そのうちの一人は見事告白をする。…というか叫んだ。
『断る。』決断時間僅か二秒。(考える時間などない)
あっさり振られたにもかかわらずその男子は嬉しそうに『美咲様〜』と言って万歳する。
周りのみんなも万歳をする。どうやら“美咲ファンクラブ”の一員だったようで。
・・・この学校の男子は皆、ドMなのか…?
休み時間は騒がしい。けれど寂しさが紛れてくれる。
