告白前の失恋【完結】

「知ってる。他にも男いるって事」

「……知って、た」


まさか、知ってると思わなくて私は途切れ途切れにそう言うしか出来なかった。
努は無理矢理笑うと、


「大丈夫、わかってるから」


そうやって明るい声を出す。



「……何で」

「それでも、俺遠田の事好きだから」

「納得行かない」

「行かなくてもいいよ、俺の自己満足だし」

「……納得行かないよ！
努と梨々子が幸せでないと、何で私が諦めたのかわかんないっ！」

「え？」