「……何で」



思わず、私はそう口にしていた。


隣で弘も、目を見開き、訝しげな顔で二人を見ている。



「おー、弘、祐美子」


努は私と弘に気付くと、笑顔で手を繋いでいない方の手を上げた。


「努…、何、これ。どういうこと?」


弘は真顔で二人にそう尋ねる。


努と梨々子は一度、顔を見合わせると

「俺達付き合う事になった」

そう言った。




その、瞬間。

私の中でガシャンと何かが壊れる音がした。