「さー歌うぞー」

「おー!」


受信メールを開くことなく、私はデンモクを手にとって歌を探す。
隣で弘も探していた。



「なあー宮島」

「何ー」

「努のどこがいいの?」

「はいっ?」


何だ、その急な質問は。
突然過ぎてドキっとした。



「どうして、何で」

同じような言葉を繰り返す私。

動揺し過ぎだ。


「何でって気になるから」

「気になる!?何で」

「えー……」


弘はゆっくりと顔を上げた。