「あ、相手は」

急なことで、心の準備が全く出来てない私。
だから、思わず動揺する。


そよそよと風が努の髪の毛で遊ぶ。
それがくすぐったいのか、一度髪を掻き上げて再度私を見た。



「隣のクラスの遠田」




隣のクラスの遠田。…ああ、梨々子か。
梨々子とは、去年同じクラスだった。
私と努は二年間同じクラス。


だから、実質的梨々子も努と同じクラスだった。



去年から好きだったのだろうか。
それにしても、意外過ぎる人物だ。

いや、梨々子、可愛いけど。



「あんま遠田と話した事ないからさ」


そうやって、努は机に腕を乗せるとその上に顔を埋めた。