授業を終わりを告げる鐘が鳴って、私は努の元へと向かった。


「努!」


眠そうな目をしぱしぱさせて、努は私を見上げる。


「何、祐美子」


そう言ってから、努は一度背伸びをした。



「約束、取り付けたから」

「え」


途端に開く努の目。


きらっきらしている。



「で、お願いなんだけどさ」

「何」


私のお願いがいいものでないと思ったのか、努は眉をひそめた。



「弘、誘ってよ」

「………弘?」