「ごめん、ちょっと待って。え?」

「そのまんま。
俺やっと気付いた。祐美子が俺から離れて行くかもってわかって、やっと好きだって事に」

「……」

「もう、今更かもしんないけど。
俺を選べよ、祐美子」

「……」

「とりあえず、それだけ。
返事待ってる」

「……う、ん」

「んじゃ、明日な」

「あ、努っ」


手を上げて、行こうとする努を私は咄嗟に呼び止めた。
立ち止まり、私を見る目は優しい。