努は確信犯なのだ。

こうすれば断れないのをわかってやっている。


「………わかった」

「まじ!」


すぐに顔を上げて、嬉しそうに微笑む努。
……憎らしいぜ。



「その代わりキハチのロールケーキ、5本ね」

「は!?意味わかんねえ!!たけえ!」

「それぐらいの価値あるでしょ」

「……鬼だ…」

「何で、キューピッド、天使でしょうが」

「お前は天使の顔した悪魔だーーーー」


努はまだぎゃーすか騒いでいる。

キハチのケーキ。
占めて5000円とかか。


アルバイトの学生には痛いお値段。

でも、それぐらいの価値。
本当にあるでしょ。