男のひとり言ー「むとうさん」番外編

あいつはそれをおもいのまま、本人なりに苦悩しながらも成し遂げている。それが俺には眩しくて、羨ましくてしようがない。

それに、車の設計っていうのも好感が持てるな。車好きっていうのもいいし、女が少ない中、その道を選んだのはよほど、自己実現を全うしたように思える。

俺は稼業しかねぇな。うちの組はまだ昔気質なところがあるから、時には慈善事業(のように見えること)もする。

地域参加とかそういうやつ。餅つき大会やったり、足の不自由な老人達に買い物代行したり。露店を自ら組員がやったり。

それも普段の稼業について黙っててね、というガードの意味合いが強い。

それに徹してきたからなんとも言えないな。でも、稼業のことを、俺は悪いことしてる、と思ってやったことはない。
むしろ、こんなことを言ったら世間から叩かれるだろうが、任侠心とか、仁義とかそういうものを持ってると思っている。

そもそも、金を稼ぐことに徹することを卑しいと思っている奴のところには一生安定した金は入らないと思っている。

金に細かいとか、そういう観点で見るやつも同様だ。金を大切にしないやつに誰が金を与えるのか。自分自身のしていることを否定するやつはそのことを続けられない。