ハァッハァッ

息が苦しい。


俺は肩で息をしながら、自宅の前にいる。




ハァッハァッ
まだ4月…でも全力で走ったため汗が垂れる。




ふぅ、と息を整えドアノブを握った。




ガチャ



俺は家のドアを開けた。








ドタドタドタドタドタドタドタドタ


慌ただしく階段を降りる音がする。



お兄ちゃんっと言う声の直後に、俺の腹に衝撃を受ける。


絢乃が俺に飛び付いてきた。


「うっ。」

衝撃に耐えられず、俺は尻餅をつく。





「お兄ちゃんどうしたの!?こんな遅くまで、私何回も電話したのに出てくれないし。」



絢乃は涙目になりながら、俺に問いかける。

カラオケにいたから電話に気付かなかったんだ。



気になって携帯を見てみた、すると待ち受けに着信あり25件とあった。



そうとう心配したんだな。
俺は心の中で呟く。




「ごめんなもう一人にしないから。」


俺は泣く絢乃の頭を撫でながら、そう言った。