助手席が開き、お姫様抱っこされ体には、ジャケットが巻かれている。

恐る恐る目を開けると、今もっとも会いたかった人。

助けて欲しいと願った人が、あたしを優しく見ている。

涙で視界がぼやけて見えないそんな状況でも分かる。

『ッッ!!陸ッ!!』

あたしを優しい目で見ていた陸はふと、座り混んでいる要を睨む。


優しく助手席に下ろしジャケットをかけてくれた陸は要に近づくと片手に携帯、どこかに連絡している。


ほんの数秒で、鳳家の特殊部隊が要を囲み始めた。


その中に、無精ひげを生やした男が要を殴った。


「お前は解雇じゃ。娘に二度と近づくな!!」

『…ッお父様。あたし』
震える肩を陸が優しく叩いてくれてる姿を父親は、目を細めてみた。


「ありがとう、娘を助けてくれて何か礼を」

いえ、と解釈すると考えるように言った。

「一つ願うならば、お嬢様の専属執事に」

父親は、目を見開く。

『お父様、あたし、陸に守られたい!

陸以外に守られたくない、、陸をあたしのナイトにしてください』

涙ながらに言う娘に。

父は微笑んで頷く。

この日、長良 陸はあたしの専属執事になった。